科学的思考で陰謀論を排除する方法

科学は専門家が採用する論理的な方法を使用して、あらゆる分野(物理学、化学、生物学、言語学など)の質問に答えるための学術的なプロセスです。

したがって私たちが物事を理解するうえで必要としている科学的根拠(エビデンス)とは、「専門家が論理的な判断と健全な考え方を用いて、構造化された情報や規則を得るプロセスの結果」と言えます。

さらに科学は、歴史的背景で見れば、あらゆる面で使用され、結果として手法と哲学が確立されましたが、現代においては、実験と論理に基づいて目的を達成するため使われます。

科学は原理・定義に基づいて規則正しいものとなっていることから、 正確性が求められます。

更に、常に新たな情報や最新の技術が生み出される現代では、より一層、科学的根拠(エビデンス)が重視されています。

ここで念を押しておきますが、科学は哲学から発展してきたという事実です。

博士号を意味するPhDはDoctor of philosophyは直訳すると哲学博士であることからも、科学において哲学がいかに尊重されているかがわかります。

つまり、科学の信用を支えているのが哲学なのです。

*全体像*

現代で物事を理解する手段として最も信用できる一つがエビデンスですが、エビデンスが必ずしも正しいとは限りません。

私たちはエビデンスの危険性を理解して、正しい選択の為に、有効に活用しましょう。

*背景*

  • エビデンスを盾にして相手を論破する事に優越感を抱く人間が増えた。
  • イ情報弱者はエビデンスこそが最も信用できる情報だと思い込んでいるために、陰謀論などに騙されやすくなっている。(逆もしかり)

*考えるポイント*

  • エビデンスをどのように活用するか
  • 総合的、複眼的思考で考えて情報の取捨選択を行うには?

科学を利用した陰謀論

科学の懸命な功績を侮辱するのが、ワクチン陰謀論の信者達です。

おそらくワクチン陰謀論の信者は、自分に都合の良い都市伝説と、エビデンスの違いを理解できずに不確かな情報を飲み込んでいます。

これを加速させているのが現代のメディアです。

討論番組が流行している中で、それぞれが意見を主張し続け、結局答えの出ないままに時間だけが過ぎていくケースが見られます。

これは中立性を保つという大義名分ではありますが、社会にとっては良くないことです。

このメディアの一部を切り取ることで、あたかもこの主張が社会に認められていると勘違いされることで、立派な陰謀論が拡散されるからです。

科学から有名な陰謀論が出るには、私たちの多くが信用・信頼している「権威性」が影響を及ぼしています。

”権威性”とは、ある事柄を信頼して受け入れられるレベルの信認の度合いを表す概念です。

この概念は、特定の社会的な状況や文化的な背景に密接に関連しますが、例えば特定の集団内で重要な存在の評判によっても決定されます。社会的な位置や役割に基づく権威性は、信頼したいと思う情報に裏付けする力を与えます。

例えば、市民が公的機関の行動を受け入れる最も一般的な方法は政府からの発行する正式な文章だということがあります。彼らは、公的な文書の発行者が深い信頼性をもっているため、それを受け入れやすくなるからです。

権威性にはいくつかの意味がありますが、多くの場合、誰かの成功経験から作られたイメージや評判に関連しています。その評判は、ある人を信頼できると考えられていることから作られたものです。権威性は、人々が受け入れやすくなる力を持っていますが、誰かがある事柄に関して安心して受け入れられるには、他の状況下でも正当な結果を出さなければなりません。

この科学の強力な力を悪用する事で陰謀論にですら、強力な裏付けする力が与えられるのです。

科学の陰謀論として有名な例として二重スリット実験(Double-Slit Experiment)や、双六軸思考(Non-local thinking)」などがあったり、陰謀理論家は、この「粒子間の非局所交換」によって、宇宙の深部で何か謎の絡み合いをしている可能性があると考えています。

しかしながら、この仮説は未だに科学的根拠に乏しく、正当な証拠を得るためには、より多くの研究が必要とされています。

つまりエビデンスが乏しい為に信用できない情報と言えますが、多くの人は科学の名前の元に陰謀論を信用してしまいます。

  • 権威性に騙されてはいけない
  • 意味のない情報を垂れ流しているメディアは見てはいけない

エビデンスの精度を高める

エビデンスで重要視されるのは論文です。

科学の証明には正確な検証される必要があります。

科学の証明には、正確な検証が必要となります。

しかし、この検証作業は非常に労力の多いものであり、数値的データに基づく検証を行うためには、専門の知識が必要とされます。

そのために徹底的な査読が行われるのです。

徹底的な査読は、科学の証明の精度を高めるのに役立ちます。 専門家が専門分野での有効性を検証し、再考された観点から研究を行うことで、重大な事柄が浮き彫りになる可能性もあります。

徹底した査読が経過し、正確な検証が行われたときだけ、エビデンスとしての価値が生まれます。

安全性、耐久性、信頼性の面から見ても、徹底的な検証が必要不可欠なのです。

また専門家の交流も重要であり、専門家同士の意見を信じて、精度の高い結論を得ることが科学の証明を、さらに信頼できるものにしていくためには必要です。

このようにエビデンスは完璧ではありません。

どのような事柄に対してもいえることですが、常にその情報を「批判的に疑う心」と「分析的な思考」が現代の情報社会を生き抜くには必要です。

エビデンスが間違われる原因としてジョン・P・A・ヨアニディスが論文を発表しました。

要点は以下の通りです。

  • 調査の規模が小さければ小さいほど、研究結果が正しい可能性は低くなる。
  • サンプルが少ないとき、そのグループが現実を反映している可能性は低く、偽陽性の割合が増える。
  • 相関も重要であるが、効果量も大切だ。
  • 検出された関係の数が多く、選択数が少なければ少ないほど、研究結果が正しい可能性は低くなる。
  • 研究デザイン、定義、結果、分析法の柔軟性が高ければ高いほど、 研究結果が正しい可能性は低くなる。
  • 金銭的なあるいはほかの利害、もしくは先入観が強ければ強いほど研究結果が正しい可能性は低くなる。
  • 関係する研究チームが多ければ多いほど、研究結果が正しい可能性は低くなる。

この種の条件が一つでも混在すると正しい結果が出ない事は、科学に精通していない人間に分かります。

特に結果が私たちの生活に深刻な影響を与える可能性がある場合は、研究の有効性を常に疑問視することが重要です。

物事を額面通りに受け取るのではなく、批判的思考力を使って事実と陰謀論(フェイクニュース)を区別してください。

まとめ

今日の世界では、誰を、何を信頼するかを判断するのが難しい場合があります。

非常に多くの情報が手元にあるため、圧倒されたり不安になったりするのは当然です。

しかし、私たちは自分で考えることを簡単に放棄してはいけません。

私たちは、出くわした情報源を批判的に調べ、証拠に基づいて十分な情報に基づいた決定を下さなければなりません。

私たちはこの「科学」という強力なツールを使い、フェイクニュースや陰謀論から、自分の思考を守り抜く必要があります。

「Why Most Published Research Findings Are False」2005.John P. A. Ioannidis参照

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