中村天風とガンジー

心が病んでしまった時は、「なんて自分はメンタルが弱いんだ」などマイナスのイメージに支配される人は多いと思います。

そうしてくると、今まで健康だった体まで、不調を訴え始めます。

今回は心と体の関係について中村天風の考え方を解説していきたいと思います。

心と体は影響し合う

心と体の関係性において、中村天風の考えは「心が川上で体が川上である」という事です。

これは、心と体という命を作っているものは、「一筋の川の流れ」という考えから来ています。

この考えからひも解くと、人は心からエネルギーを受け取り、体を動かしますが、心がマイナスの感情に支配されると、十分なエネルギーを体に受け取ることが出来なくなってしまうのです。

逆に体の調子が悪いと川下である体のせいで、川の流れが悪くなり、心が弱まっていくのです。

五つの心

次に心の知識(考え方)として「五つの心」について話しておきます。

天風先生は人間には五つの心が存在すると説いています。

五つの心とは「肉体の心」「精神の心」に分かれ、

肉体の心

  • 物質心
    植物心
    本能心

精神の心

  • 理性心
    霊性心

と分類されます。

それぞれ解説していきます。

物質心

生きるモノとして、必要不可欠な芯となる心。

ヒトで言う所の肉体のもつ心で最後の最後で死ぬときに、この心はなくなります。

植物心

これが重要で、消化・排泄などの内臓の働きのような、意識しなくても生命維持に必要な、自律神経系統の心になります。

この心は精神態度の影響をモロに受ける心のため、悲しみ・憎しみ・怒りのような感情を持つと、植物心のパフォーマンスが落としてしまうことになります。

本能心

これは食欲・性欲・睡眠欲のような意識することのできる心。感情などもここから出てきます。

これがないと「お腹が空いていないので食べない」という風に生命を維持することが出来ません。

※不要残留本能心=「憎悪心」「嫉妬心」「復習心」「懐疑心」「闘争心」に反応することで、悩み・苦しみ等の感情を生み出す。

理性心

判断することが出来る心。

自分の経験や知識で物事を判断します。

これに頼る過ぎると危険で、時代によって変化するし、自分の許容範囲を超えたモノの判断ができない。本能心には勝てない。

霊性心

インスピレーションなどを感じることが出来る心。

肉体と精神が統一された状態で自然と出てくる心だそうです。

中村天風はこの心に人生を預けるべきであると考えています。


人の心は、マイナスの心をもつと肉体(内臓)まで悪くなります。

常に自分の心を整えて積極精神で毎日を過ごしましょう。

人は毎日、何かを考えては悩んで苦しい思いをします。

では、悩みは何から来ているのか、どう対処していけばいいのか、対処法を見ていきましょう。

自分は不幸だと感じたら

「自分はなんて不幸なんだ」と感じる時は心の状態は良くないのは誰でも分かります。

私たちはその考えが頭に浮かぶと、悪い考えばかりが頭の中を駆け巡り、負のループから抜け出せなくなります。

こんな考え方をしてはいけないと思えば思うほど考えてしまう生き物です。

こんな時、中村天風はどう考えるのでしょうか。

中村天風は大病を患い、治療法を探すために世界中を旅したが見つからず、「日本で死のう」と最後の航海でたまたま出会った人のもとで修業することで病気を克服したのは有名な話です。

その人物とはヨガの大哲学者「カリアッパ」という人物でした。

修業の中で中村天風は言葉を変えることを悟ったそうです。

例えば「財布を落としたから不幸だ」と思ったなら「財布がないから今日は歩けて健康にいいなぁ」といったように消極的な考えを積極的な考えに変えるそうです。

これこそが中村天風の教え【絶対積極】の精神です。

この考え方を自分に落とし込むことが出来れば、幸せな人生を歩めるかもしれない、アファメーションに近い考え方かもしれません。

消極的な言葉から自分を守る

しかし消極的な言葉を積極的な言葉に変えることは、頭でわかっていても自分に染み付いたクセはなかな抜けません。

そこで中村天風が修業の末に身に着けた「クンバハカ」という方法があります。

これは最も神聖な状態になる方法で、この状態になると消極的な言葉など様々なものから自分の精神を守ってくれるそうです。

「クンバハカ」

  1. 肛門を閉める
  2. お腹に力を込める
  3. 肩を落とす
  4. 深呼吸する

いついかなる時でもこの動作を行うことが大切だそうです。


続いて弱気な気持ちを救ってくれるもう一人の偉人を紹介します。

「インド独立の父」であるガンジーです。

こんな偉人の考え方を知ることが出来る時代に生まれた私たちは幸せ者です。

「自分はこのままでいいのか」と迷った時の考え方を、ガンジーの考えを踏まえつつ解説していきます。

努力しても意味がない。。。

今の時代一つの仕事だけでは生きていけないと言う方がいます。

確かに学びを促進するための発言なら素晴らしいが、自分の商売の為に発言している人が多いのは残念でなりません。

そのような不安を煽るような発言をする人が増えたせいで、多くの人が何か新しいことを始めないといけないと行動し、挫折していきます。

挫折した人の多くは「こんなことしても意味がない」「成長できていないから辞めよう」など何かしらの言い訳を自分にしています。

これを経験すると、この自分への諦めの感情から無気力感が生み出されて心の病気になっていくのです。

そんな感情になってしまった時の考え方として、ガンジーは次の教えを思い出します。

「重要なのは行為そのものであって結果ではない。行為が身を結ぶかは、自分の力でどうにかなるものではなく、生きてるうちにわかるとも限らない。だが、正しいと信ずることを行いなさい。
結果がどう出るにせよ、何もしなければ何の結果もないのだ。」

言葉だけ取れば何とも身も蓋もないような話に聞こえますが、行動する事で失敗という結果を得ることが出来る。

読み解けば「発明王エジソン」の言葉にも似ているように感じます。

自分の思い描いた目標にたどり着けなかったとしても何も得るモノがなかったわけではない、次の行動の糧として自分の信じたモノを追いかけて人生を楽しんでください。

将来が不安だと感じたら。

将来に不安を感じない人はいません。

それは人間関係であったり、健康状態、経済的な不安かもしれません。

将来の事は誰にも分りませんが、どのようになりたいかは人それぞれの願いがあると思います。

その願いを焦ることなく思い続けることが大事だとガンジーは教えてくれます。

人は「思っている通りになる」。

ガンジーは人を「思考の産物」と考えています。

確かに自分が思い描いている将来に必要な情報は、なぜか意識しなくても頭に入っています。

思考の産物とはこの事なんですね。

読者の皆さんも、楽しい将来の夢や目標を思い、日々をより良いモノにしてほしいと思います。

・おわりに

ガンジーは「非暴力・不服従」運動でインドをイギリスから独立に導きました。

誰もしたことのない非暴力での独立運動。そんな険しい道をなぜ歩めたのか。

こんな偉業を成し遂げる人物の考えを、ぜひとも普段の生活に落とし込んで頂きたい。

ガンジーは言いました「明日死ぬかのように生きろ。永遠に生きるかのように学べ。」と。

中村天風は少しスピリチュアル的な考えで、怪しいと思う方も多いと思います。

確かに詐欺のような事に使われることもある為、否定はできません。

しかし誰にも迷惑をかけなければ、強制もしない。

精神哲学は人間を豊かにするのではないかと考えます。

このような二人の偉人の教えは後世にも受け継がれていくことは間違いありません。

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