行動心理学|4つの基本行動

行動分析学は心理学の一つで目の前の行動を、そのまま対象・投資・行動に変える方法を実験によって探る方法論を持っています。

また行動分析学の特徴として、原因を意思の弱さや能力のせいにしないなどが挙げられます。

これは自身の行動などを振り返る時、非常に有用かつ実現性の高い処置が可能になります。 

行動の4つの機能

基本的に私たち人間の行動の機能は4つしかありません。

  • ものや活動が得られる
  • 注目が得られる
  • 逃避・回避することができる
  • 感覚が得られる

この一つひとつの行動を分析していくことになります。

行動随伴性

「行動随伴性」とは行動・行動の直前・行動の直後で一つの行動を捉えて、行動の理解を深めていきます。

例えば「〇〇の時〇〇したら〇〇になる」のように分けて考えます。

詳しく言えば、何か行動をした直後に環境が変化すると、その変化のためにその行動が将来繰り返されたり、 繰り返されなくなることがあります。

このような行動と環境変化との関係を行動随伴性と言います。

行動随伴性を分析することで、問題のある行動を改善していく方法が見つけることができるかもしれません。

行動を理解するには

自分の行動を理解するとはどういうことでしょうか。

私たちが行動を起こすには原因が必要です。

その行動に影響を及ぼす原因、これを「制御変数」と呼びます。

また心理学の究極の目的は「行動の予測と制御」と言われることもあり、行動分析学は自分の行動の制御変数を見つけやすい学問でもあります。

行動分析学は、その行動がなぜ起きるのかについての理由を考える場合、その行動の前に何が起きたのかを考えるよりも、その行動の結果として何が起きたのかを考える必要があります。 

また「病状・状態」と、行動は違い、行動の原因を医学モデル(例:ウイルスが発熱などの症状を引き起こすなど)で説明してはいけません。

「行動の前にではなく、行動の後に続く結果にある」これを「オペラント行動」と言い、より細かく人間の行動を理解するために「レスポンデント行動」があります。これは梅干しを食べた時(原因)に唾液が出る(行動)ような行動を指します。

行動の直後に出現すると、その行動の自発頻度を高める出来事や条件のことを「好子」と言います。

また行動の自発頻度を低める出来事や条件を「嫌子」と言います。

何もしない(直前)人に、報酬をあげる(行動)するとしっかりと働く(直後)、このような行動を好子出現の強化と言います。

例えばこの報酬を上げる行動を細かく区切り、その都度報酬をあげることでその行動が強化されます。これを「強化スケジュール」と言います。

その都度報酬をあげて行動を強化する事を連続強化とも呼ばれますが、連続強化よりも、部分強化(間隔をあけての強化)の方が「より強く行動が維持される」ということが分かっています。

別でギャンブル依存症などの場合はこの部分強化が行われており、そのようなケースを「 変動比率スケジュール」と言います。

消去の原理

ご褒美(直前)があるから頑張る(行動)がご褒美がなければ(直後)頑張れない、このような行動に起こる変化を「消去の原理」と言います。 

先ほど説明した強化スケジュールにより、消去抵抗(行動を持続しようとする)の強さや長さに差が出てきます。

強化されていた行動に対して消去が起きる場合、一時的にその行動はエスカレートします。

また消去抵抗が強すぎる場合その行動が一気に増加するので「消去バースト」 呼ばれています 

このように消去の原理が働いても、また同じような行動をすることを「回復の原理」と言います。

アメとムチ

好子と嫌子の事を、「アメとムチ」と考える人が多いようです。

しかし「アメとムチ」のような、報酬や罰だけでなく、人から親切にされたり、自然の偉大さに感銘を受けたりするような行動でも、好子と嫌子は作用します。

また「アメとムチ」を多用すると、行動を起こす時に「アメ」がなければやる気が起きなくなることや、「ムチ」を多用した場合には行動を起こす積極性が奪われたりしてしまう事になります。

阻止の随伴性

四つの基本随伴性とは別に、好子や嫌子が作用することを阻止しようとする、阻止の随伴性があります。

阻止の随伴性の強化には

  1. 集中力の継続
  2. スムーズな運動機能の維持
  3. 課題に従事する行動の維持

のようなメリットも多くありますが、デメリットとして現状維持バイアスや、義務的行動への転換などが挙げられます。

また行動心理士の奥田健次氏は阻止の随伴性について

  1. われわれが注意を集中し続けてそれを止められない
  2. われわれの運動機能を儀式的に維持する
  3. 強迫行為に従事する行動を促進する

と表現し、行動分析学で人間の強迫観念についても解説しています。

トークンエコノミー法

トークンとは「貨幣の代用」で、 特定の価値を持たせたポイントのようなものです。

何かを購入した時にポイントが付くなどの戦略さしています。

これは企業などでもよく使われている技法で、顧客の囲い込みなどには非常に有効な手段でです。

この技法の利点はポイントの受け渡しが容易なこと、食べ物のように満腹にならないと、特定の行動の出現を高めて維持するのに容易なこと、視覚的に動機づけられて達成感を味わえることなどがあります。

まとめ

私たちの行動には、自分の意志や価値観、環境などの様々な原因があります。

日常の行動は、無意識に行えるほどに習慣化していますが、悪い習慣などは放置しておくと、後々の人生に大きな影響を与えてしまいます。

習慣化は非常に重要な能力ですが、長期間定着している行動を改善する時には、消去バーストが起こり、その行動がよりエスカレートしてしまう恐れがあります。

そうならない為にも、定期的に自身の行動を振り返り、あまりよくない習慣は早めに取り除く必要があります。

参考文献

「使える行動分析学 自分実験のすすめ」 著 島宗 理

「メリットの法則 行動分析学・実験編」 著 奥田 健次 https://kenjiokuda.com/奥田 健次さんの研究室も覗いてみてください。

【メルマガ会員募集中】

あなたの日常生活の質を向上させる
【より良い選択のためのアイデア】がメールで届きます。

無料なので、ぜひ購読してください。

>調査倶楽部

調査倶楽部

調査倶楽部は「調べること」に関する情報を集めた場所です。
調査倶楽部へ入会希望の方は無料でニュースレターをご購読ください。
定期的にメンバーを募集しています。