ステレオタイプ思考の危険性

ステレオタイプ思考に陥ってしまうと、人生の選択に大きな損失が出てしまいます。

そうならないためにも、ステレオタイプ思考について理解を深めておきましょう。

1.ステレオタイプ思考とは

ステレオタイプとは分類する時に使うスキーマで、スキーマは一般的な概念についての知識構造と定義されています。

つまりスキーマとは、日常で触れた情報の中から必要なものを選択し、それを単純化し、わかりやすく体制化し、取り扱える形に情報を整理することです。

認知的経済性や自分の思い込みとも言います。

(例)「銀行」のイメージの中には、「お金」や「ATM」など関連知識も含まれます。

ステレオタイプ思考とは様々な表現がありますが、限られた情報や偏ったモノの見方で考えてしまう事だと言えます。

2.ステレオタイプ思考が危険な理由

私たちの人生は、選択の積み重ねで決まります。

何を食べるのか、何を学ぶのか、何を見るのか、全てが自分の選択です。

 昔はTVのチャンネルでしか映像を見る事ができませんでしたが、近年ではYOUTUBEなど自分の好みに合った映像を視聴することができます。

しかし現代では、数多くの選択肢があるために悩んでしまう事も問題視されています。

危険性1 情報の過多による安易な判断

例えば、買い物をする時に選択肢が多いと購入者の購買意欲が低下するという実験があります。

この実験を言い換えれば、選択肢が多い状態の時、購入者はあまり考えずに「買わされている」ことになります。

特に生活必需品などは、必要だけど真剣に選ぶほどの価格ではないと考えるために、「買わされている」状態にあります。

さらに、ECサイトでは莫大な量の商品が並んでいるため「他人の評価」や「サイトの上位表示」のような、分かりやすい指標に頼りがちです。

このように簡単に手に入る情報に頼る事を「利用可能性ヒューリスティック」と呼びます。

これは心理学用語の初頭効果との関係性も深く、初頭効果は人が印象を形成する際に、後の情報よりも最初の情報が重視される事です。

危険性2 立場や考え方によって見方に偏りがでる

これは確証バイアスの典型的なパターンで、物事を判断する時に、自分が元々持っている考えに結び付けようとする心理現象です。

最も危険な例が、TVやYOUTUBEなどによる情報の刷り込みです。

この情報の刷り込みにはザイオンス効果が利用されていて、繰り返し見ることによって、その人物や情報に関心を惹きつけます。

つまり、特定の考え方をTVやYOUTUBEによって印象づけ、視聴者に偏った考え方を植え付けています。

こうして培われた確証バイアスが様々な分野、社会活動、経済活動に悪影響を及ぼします。

これは多くの人が知っているように、戦争を引き起こす道具としても利用されてきました。

このような心理操作にかからない為にも、自分の頭で考えて選択する習慣を身に着ける必要があります。

まとめ

思考には必ず、心の働きが連動しています。

この思考と感情の切り離しを行う事は困難ですが、よりよい選択をするためには必要な事です。

特に現代のように、科学文明が発達し続ける世の中では、自分の思考を奪われない訓練が求められています。

考える事は習慣から、習慣は信念から生まれてくるものです。

正しい選択を行うために、正しい思考を身につけましょう。

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