【HUMINT】相手から情報を聞き出す方法

諜報機関では、盗聴、産業スパイ、工作活動など、機密情報を入手するための効果的な戦術やテクニックを用いて情報収集を行っています。

戦略書で名高い、孫氏の兵法では「敵を知り己を知れば百戦してあやうからず」とありますが、これも相手の事を知るための情報の大切さを説いています。

実際に生活していく中で、その情報を活用するかは問題ですが、そもそも情報を知らない事には、その問題について考えることもできません。

この記事では、人から情報を入手するために諜報機関が行うHUMINTについて解説します。

「範囲を限定する」

「範囲を制限する」とは、数字や日付に対して特定の範囲を設定する手法です。

もしデータの範囲に上限と下限を定めると、対象となる数字がその範囲内に収まるという特定の数字を教えようとする欲求が生じます。

この手法が成功するには、人間には「相手の誤りを修正したい」という欲求を刺激する必要があります。

「認知的不協和」

認知的な不協和は、自分の信じていることや考え方と完全に反対の意見を聞かされたときに生じます。

このような場合、相手は自身との考え方の違いに対して不安を感じます。

不協和の度合いが高まるにつれ、本人はプレッシャーを感じ、どうにかしてこの不安を軽減したいと思うようになります。

「好奇心を刺激する」

相手の好奇心をかき立てると、相手が既に知っていることと知りたいことの間に情報の隔たりが生まれます。

そのため、情報の隔たりが生じるように仕向ければ、相手はその隙間を埋めようとして、ついデリケートな情報を漏らしてしまいます。

「共感を言葉で表現する」

相手の健康や気分について、思いやりのある言葉を使って話す。

また、相手が何か言ったら、同じような言葉で共感を表現すると、相手は話を続けようとする気になります。

「特徴を間違えて説明する」

その人物がもっていると思われるスキルにふさわしくないものをわざと言ってみましょう。

誤った情報を話すと、相手はあなたの発言を訂正したいと思い、その理由を説明しようとするでしょう。

「信じられないというふりをする」

相手が「信じられない」と言ったり表情を浮かべると、私たちは自分の発言の真実を証明する必要があります。

すると相手は必死に説明を始め、つい重要な情報を漏らしてしまうことがあります。

「無知なふりをする」

相手が「信じられない」という表情を浮かべたり、そうした言葉を口にしたり、相手は自分が無知な振りをすると、「説明してやろう」という気になる。

ある話題について全く知識がない振りをすれば、相手はその話題に関する専門知識を教えようという気になります。

「推測を述べる」

単なる事実として、あなたが何かの情報に関して「推測を表す」ことがあるかもしれません。

もし情報が正しい場合、相手は追加の情報を提供してくれる可能性があります。

「お返しをしたいと思う返報性を利用する」

あなたが最初に情報を提供すれば、相手は「お返しをしなければ」と考え、何か情報を提供する気になります。

「ネットやニュースなどで知った話を引き合いに出す」

その情報が正確であるかどうかは問題ではありません。

関連する話題について話す前に、新聞、雑誌、ブログ、ニュースなどでその情報を知ったと説明しましょう。

もし相手が既にその情報が報道されていることを知っているならば、気兼ねなくその情報について話すことができるでしょう。

「相手の地位を『格上げ』する」

相手の立場や地位を向上させれば、相手は満足感を得ることができます。

また、自分の能力には及ばないと相手が感じている場合もあるため、相手は訂正しようとすることもあります。

この格差が相手の心理的な不協和を引き起こすため、相手は不安を解消しようとし、個人情報などの機密情報を明かしやすくなります。

「ストーリーを語る」

ストーリーを聞くと、多くの人は無意識のままで、その主人公に自分自身を投影します。

効果を高めるためには、そのストーリーは相手の現状に関係する話であるべきです。

主人公が取るべき一連の行動を示し、教訓を含んだプロットにすると、相手は聞いたストーリーに真実を話す気になるでしょう。

「疑念を示す」

相手に疑われているようなふりをすると、言っていることが信用されていないと相手が不安になります。

そのため相手は追加の情報を提供し、「これは本当の話なんですよ」と説得する必要を感じます。

「第三者話法」

「第三者」から聞いた話として情報を伝えると、人間が持つ「他人について話したい」という特性を利用できます。

また、人間は第三者から聞いた話を信じやすく、「○○さんがあなたのことを褒めていた」というお世辞を特に信じやすいのです。

自分と利害関係のない人が言ったことであれば、その話は真実に違いないと思い込んでしまいます。

「言葉のエコー」

言葉のエコーは、相手が何かを言おうとしていても途中で口を閉じたときに、最後の言葉を繰り返す技術です。

それによって、相手は話を続けやすくなり、積極的に情報を提供しようとする気持ちになります。

相手との信頼を築く

情報を教えてもらうには、相手との信頼関係を築くことが最も重要とされています。

例えば相手との信頼を築く方法は、以下のようなことが挙げられます。

  1. 約束を守る:信頼は一貫性と信念を示す行動から生まれます。
  2. 真実を伝える:嘘や隠し事は信頼関係を損なう可能性があります。
  3. 適切なコミュニケーション:相手の意見や感情を尊重し、理解を示す。
  4. ユーモアを大切にする:軽いジョークや笑いを取り入れることで、相手との関係を強化する。
  5. 助いの手を差し伸べる:相手のニーズに敏感であり、相手の味方である事を示す。

これらの方法を実践することで、相手との信頼関係を構築することができます。

また、初対面に対しては第一印象が大切です。

そして顔が一番最初に印象づける場所であるため、以下のポイントに注意しましょう。

  1. 眉をさっと上げて目を見開く
  2. 頭を傾ける
  3. 心からの笑顔

このようなテクニックは色々とありますが、結局は相手に対する思いやり、相手のしてほしい事をする。

人として相手に尽くすことが最も大切な事です。

まとめ

現代は誰もが情報を拡散できる社会です。

しかし、結果としては真実がより一層見えづらくなったという印象を受けます。

悪い事をしている人間の姿は、数々の【金の亡者という奴隷】によって守られてしまいました。

この社会で真実を見抜くためにも、1人ひとりが自分の意思で情報を取りにいく姿勢が必要ではないでしょうか?

参考文献

元FBI捜査官が教える「情報を引き出す」方法 著 ジャック・シェーファー マーヴィン・カーリンズ

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