好きなヒトと結婚し結ばれる。でも幸せは永遠ではありません。なぜなら人間だから。理不尽な行為によって人生が狂わされてしまう。少しでも被害を抑えるために離婚についての理解を深めておきましょう。
不倫と浮気の違い
離婚には必ず原因がありますよね。その大きな理由に浮気と不倫があります。まずは違いを理解してから話を進めたいと思います。
- 浮気=既婚、独身に関係なく、肉体関係の有無も関係ない
- 不倫=既婚であり、肉体関係がある
この肉体関係があるかどうかが、民法上で損害賠償請求できるかの分かれ目です。2人で食事したり、キスなどは不倫にはならないのです。損害賠償請求をするには、それ以外の肉体関係があった証拠が必要となってくるのです。
不倫・浮気
不倫・浮気のピークはいつ?
何歳になっても不倫をするヒトがいます。それでも集中する時期はあります。一般的に男性の不倫は30代がピークで、若さや遊びたい気持ち、経済的・時間的余裕がその理由とされます。特に若くして結婚した男性に多い印象です。
一方女性は20代がピークで、30代に入ると子育ての時間的余裕や性的欲求の増加、夫の仕事の忙しさとの比較による自由な時間の増加、子供が生まれた後の心境の変化が不倫の増加につながります。
男性は若さや自立の時期、女性は子育てや夫の忙しさとの比較による自由な時間の増加が不倫の背景に影響しています。だからこそ早い段階で離婚についての知識は身に着けておきましょう。
不倫のきっかけは?
不倫をするにしてもきっかけがないと始まりません。不倫のきっかけTOP3は、
- 1位:「仕事の相談を聞いてもらう・聞く」
- 2位:「既婚者と飲みに行く」
- 3位:「残業で2人っきりになる」
職場内は一緒にいる時間が長い+接触頻度が多いので、一番危険ですよね。実際の相談でもよく聞くのは、職場の同僚との不倫です。意外なのが「既婚者と飲みに行く」でしょうか?既婚者だから安全と思ってしまうのは仕方がないのかも知れません。
しかし異性であることに変わりはないです。まずはきっかけを未然に防ぐことが重要ですね。
不倫をする人間の行動心理
人間は欲求の塊と捉えることも出来ます。しかし欲求が間違った方向に働くことで不倫のような悲しい事態を引き起こすのです。例えば、
- 夫婦でいても寂しい
- 性的欲求を満たしたい
- 現実逃避をしたい
このような欲求は行動として現れます。
- コミュニケーションを取らなくなる
- 不満を言うことが多くなる
- 家事をしなくなる
- 体に触れられるのが嫌になる
- 家出する・実家に帰る
- メイク・ファッションが変わる
人間は不快感を覚えると何かしらの拒絶行動を起こします。そんな不快感を少しでも取り除いていくことが家庭円満の秘訣です。
強制的に離婚することも出来る
自分が離婚したくなくても強制的に離婚することができるのです。民法770条によると、
- 不貞行為(浮気)があった
- 悪意の遺棄があった
- 3年間生死が不明である
- 強度の精神病を患っていて、回復の見込みがない
- 婚姻を継続しがたい重大な理由がある
この条件に当てはまる場合、離婚することが可能になります。もし当てはまらず、自分は離婚するような問題を起こしていないと思っていても、
- 離婚の交渉をする
- 調停離婚を申し立てる
- 裁判離婚を申し立てる
といった行動に出ることができます。人間生活に絶対の保証はないのです。
離婚での心配ゴト
仕方なく離婚する選択を取ることもあるでしょう。そんな時の心配ゴトは大きく3つです。
- 子供=養育費はどうする?どうやって育てていく?
- 仕事=お金です。お金がないと生活できません。
- 住居=家を解約したら実家に帰るなり、新しい住居を探す必要があります。
中でも離婚の中で一番の問題は養育費です。この養育費が今後の人生は、子供を育ててるためにも最も重要です。養育費についてはしっかりと理解しておきましょう。
養育費について
養育費とは子供を育てるためにかかるお金のこと。
- 医療費
- 衣食住の費用
- 20歳までにかかる教育費
養育費は、離婚後に未成年の子供がいれば請求できます。原則20歳までとされていますが、20歳を超えても学生である場合などは、継続しての請求をお願いすることができます。これは子供が扶養費として請求することもできます。
養育費はどれくらいもらえるの?
養育費の額は養育費算定表を参考に決まります。養育費算定表は、
- 養育費を支払う親の年収
- 養育費をもらう親の年収
- 子の年齢・人数
から計算され、最終的には夫婦で話し合って決めていくことになります。基本的に支払う側の年収が高ければ高く、もらう側の年収が低いほど高くなるイメージです。気をつけてほしいのが、人数が増えると、そのまま倍はならない点です。
養育費に関する注意点
もちろん互いの交渉が全てうまくいくなんてコトはありません。だからこそ裁判や調停を通して決めていくのです。そこで離婚を考えた時の注意点をいくつか挙げておきます。
- 養育費は減額されることもある
- 相手の年収の把握
- 子供の進路
- 今後の相手との関わり方
未来がどうなるのか。それは誰にもわかりません。だからこそ私たちはあらゆる問題を想定して行動していくしかないのです。
保険をかけておこう
「養育費の支払いがされない」離婚後の世界では頻繁にある話です。そんな時に役立つのが、【調停調書】と【公正証書】。この書類があれば、判決と同じ効力あるので強制執行として相手の給与や財産の差し押さえをすることが出来ます。
調停調書で履行勧告
調停調書においては、履行勧告によって相手にプレッシャーをかけることが可能です。これは、裁判所を介して「慰謝料や養育費の支払いを求める」というメッセージを相手方に送ることを意味します。これは個人単独の要求よりも、はるかに強い影響力を持ちます。
調停証書を取得するためには、まず調停の手続きを行う必要があります。
うな場合には、夫婦間の問題を調整するための調停を利用することができます。
公正証書で強制執行
相手が養育費を支払わない場合、裁判を起こす選択もありますが、そのためには費用がかかります。しかし、離婚時に養育費に関する公正証書を作成しておけば、後に強制執行を行うことができるようになります。これにより、裁判せずとも相手の収入や財産に対して差し押さえを行うことが可能です。
トラブルを解決する
離婚したい理由は人それぞれ。
- モラハラを受けているから
- 妻への思いやりが欠けているから
- 金銭感覚が違うから
- 夫が家事を手伝ってくれないから
- 夫の親族と相性が悪いから
- 経済状況が不安だから
- 子供への関心がないから
- 生理的に受け付けなくなったから
他にも人間関係である以上、些細なことがきっかけで離婚を考えることもあるでしょう。この不倫・離婚問題を解決する方法は大きくわけて3つです。
- そのままで関係の修復を目指す
- 距離を取る
- 離婚をする
まずは離婚しない方法を考えるようにしてほしいと思います。
そのままで関係の修復を目指す
離婚する前に一度考えてみてください。「本当に離婚していいのかな?」「本当に離婚しか現状は良くならないのかな?」まずは以下のリストでは離婚によって改善されそうな点と、後悔しそうな点について考えてみましょう。
【良くなりそうな点】
- 一人の生活に戻って自由に暮らせる
- 養う妻や子供がいなくなったことで経済的に安定する
- 同居のストレスから解放される
- 家族内の雰囲気が良くなり、子供が明るくなる
【後悔しそうなこと】
- 時間の経過と共に再婚を望むようになる
- 離婚によるショックを子供が受けて、性格が暗くなってしまう
- 離婚後の生活費に困ってしまう
- 働きながらの子育てで身体を壊す
関係を改善することを考えたヒトは、自分の行動を改めて色々な方法を試していきましょう。例えば相手の行動を褒めてみたり、スキンシップを増やしてみたり、第三者に入ってもらったり。逃げることも大事ですが、修復することができるのも人間です。
相手が勝手に離婚する場合もあるので、「離婚届不受理届」を市役所に提出しておきましょう。離婚届不受理届は勝手な離婚届けを受け付けないようにするものです。
第三者に入ってもらう方法の一つとして「夫婦関係調整調停」があります。家庭裁判所で調停委員が夫婦間に入って話し合いをサポートしてくれます。
距離を取る
2つ目の解決策は「物理的に距離を取ること」です。一時的な感情の可能性もあるため、距離をとって落ち着くことで関係が改善することもあります。考える時間も人間には必要なのです。
しかし相手の意志を尊重せず、勝手に別居してしまうのは避けたいところ。勢いのまま別居すると法定離婚事由「悪意の遺棄」と認識されてしまう恐れがあります。これは裁判になると不利に働くことになり、自分が悪くなくても相手に慰謝料請求されるかもしれません。
民法では夫婦間の義務として、同居義務・協力義務・扶助義務があり、相手や子供を無視して放置した。これが悪意の遺棄に当たるのです。他にも頻繁・長期的に家出をしたり、配偶者に生活費を渡さないなども該当する可能性があります。
【別居の注意するポイント】
- 相手に不貞行為がある場合は別居しないこと(裁判で不利になる)
- 親権が奪われる可能性があること
- 住民票は移動すること
- 財産を処分されないようにすること
- 離婚届不受理届を出しておくこと
- 生活費を確保すること
別居中の生活費は国からの助成金があるので頭に入れておきましょう。
- 児童手当
- 児童扶養手当
- 生活保護
- 婚姻費用
他にも行政やNPOなどからの助成が受けられるので、ネットなどで随時確認することをおすすめします。別居期間を経ても解決する可能性が無くなった場合は離婚するしかないですね(※個人の見解です)
離婚をする
もう関係を改善できない。離婚して新しい人生を歩くしかない。そんな時は離婚について考えていきましょう。離婚するにしても準備を事前から進めておく必要があります。
離婚するに至った場合、これからの人生のためにも慰謝料は請求するべきです。民法では「夫婦一方の意志で離婚が認められる理由」(法廷離婚自由)に該当し、相手が有責配偶者となった場合にのみ慰謝料が請求できます。主なものは、
- 暴力行為
- 不倫
- 悪意の遺棄
- セックスレス
このようなトラブルを証明するためには、それぞれの証拠を確保することが重要です。
- 暴力行為=診断書、動画、音声録音など
- 不倫=ラブホテルや相手宅への複数の出入りや滞在時間の証拠
- 悪意の遺棄=クレジットカードや消費者金融の利用明細書、音声録音など
- セックスレス=日記、メモなどの記録
証拠を集めるには時間が掛かります。だからこそ「離婚する」「離婚しない」に関係なく早い段階から証拠を集めるようにしましょう。最後に慰謝料の相場をお伝えして終わりにしたいと思います。
- 暴力行為:50万~300万円
- 不倫の相場:50万円~300万円
- 悪意の遺棄の相場:10万円~200万円
- セックスレスの相場:10万円~150万円
慰謝料の額は総合的な判断として下されるので一概には言えませんが、少しでも辛い思いが軽くなることを願っています。
不倫・浮気問題、離婚問題は、あくまでもトラブルです。何事もなく夫婦円満で楽しい人生を過ごすことが一番です。そのような環境を作るためには、自分自身が人として成長すること、相手への思いやりの心をもつこと。
日々成長して、素敵な人生にしましょう。