私たちはストレス社会に揉まれながら生きて行く中で心の病気にかかっているのです。
今回は心の病気を理解する第一歩として、詳しい解説はしませんが、自分に当てはまっているか確認しながら読み進めてみてください。
現時点で自覚がなくても、今後のためにも少し理解しておきましょう。
1.うつ病
うつ病は誰でも聞いたことがあると思いますが、自覚のない人が多い病気です。
うつ病とは「やる気が出ない」「不安なことばかり考える」など、気分障害の一つで、「自分は大丈夫だ」と思っている人も気づいた時には鬱状態になっているかもしれません。
SNSの普及に伴って、さらにうつ病にかかる人が増加すると思われます。
2.依存症
依存症は「アルコール依存」、「ギャンブル依存」など多くの種類があります。
多くの人が知っている通りに「やめたくてもやめられない」のが依存症です。
3.双極性障害(躁うつ病)
うつ状態と、躁状態(気分が高揚したり、急に怒り出したりする状態)を繰り返す病気です。
うつ病とは違いますが、正確な判断が難しい為にうつ病と判断されるケースも多いようです。
4.PTSD(心的外傷後ストレス障害)
この病気は大きなショックや、生死に関わるよなうな体験をした人に起こりうる病気です。
その体験のフラッシュバックや夢として出てきたりします。
これは多くの人が抱える病気で、一般的に広く認知されています。
5.強迫性障害
この紹介した病気の中で、自覚するのが一番難しい病気が強迫性障害ではないでしょうか。
病気の流れとしては、
- 不安にさせる思考(強迫観念)
- 不安をなくそうとする行動(脅迫行動)
強迫観念=自分の中で気持ち悪い(不愉快)と感じる。(車のライトは消したか・家の鍵は閉めたかなど)
強迫行動=不安を減らすために何度も確認するなど
完璧主義の人は、特に注意すべきかもしれません。
まだまだ心の病気は多く存在し、誰にでもかかる可能性はあり、心の病気は放置することで悪化するケースが多く、最悪の場合は死に至ります。
そこで日本人が特に警戒すべき「うつ病」について改善法を見ていきましょう。
「うつ病」の改善法の多くは、睡眠やストレス環境へのアプローチがほとんどだと思います。
しかし最近では食生活へのアプローチを提唱している方も多く存在しています。
今回は食生活がうつ病に与える影響と、具体的な食事法を考えていきましょう。
うつ病の原因とは
うつ病の時は「セロトニンが不足している」みたいな話はよく耳にします。
しかしセロトニンは、どこでどのように生成されているか、セロトニンとは何か、理解している人は少ないのではないでしょうか。
セロトニンは脳内で情報を伝達するための神経伝達物質です。
- セロトニン(抑制型)
- ノルアドレナリン(興奮型)
- ドーパミン(興奮型)
この三つを合わして「モノアミン」と呼ばれています。
私たちは日々の生活の中でこの神経物質を出し、バランスを保つことで、健康な生活を維持しているのです。
まだ証明されていませんが、この三つのバランスが崩れることで「うつ病」になるとされています。(ドーパミンの不足はパーキンソン病、深刻になると統合失調症。セロトニン・ノルアドレナリンの不足がうつ病。)
日本人はこのセロトニンの生成が苦手とされています。
これらの神経物質は「トリプトファン」や「チロシン」というアミノ酸をもとに腸で合成され、腸と脳を繋ぐ神経系に伝わります。(※ノルアドレナリンは主に中枢神経系で作られています)
摂取しておきたい食べ物
取りたい栄養と言えばキリがなく、ビタミン・ミネラル・アミノ酸・脂肪酸などがありますが、今回はアミノ酸に焦点を当てたいと思います。
私たちの体は20種類のアミノ酸からできています。
その中でも食事から摂取すべき必須アミノ酸と体の中で作られる非必須アミノ酸に分けられます。
(※「トリプトファン」は必須アミノ酸「チロシン」は非必須アミノ酸)
【トリプトファンを多く含む食べ物】
- 卵
- 牛乳
- 納豆など
(参照:厚生労働省 食品成分データベース)
「うつ病」の改善のために思考錯誤している人は多いと思います。
全ての方法が自分に合うことはありませんが、一つずつ試してみることも、これから「うつ病」に向き合っていく中で大切ではないでしょうか。
また、今回はうつ病の仕組みと栄養について解説してきましたが、間接的には「腸」や「脳」の状態も影響してきます。
自分を労わるつもりで、少しでも自分の為に健康について考えてみてください。
次に紹介するのは、これも近年注目されているHSP(Highly Sensitive Person)です。
HSPとは、生まれた時から人よりも感受性が強く、周囲からの刺激を受けやすい特性を持っている生き物の事を指します。
これは、アメリカの心理学者であるエレイン・N・アーロン博士が提唱した心理学的概念で、現代人の5人に1人はHSPと言われています。
HSPは治す必要がない疾病ですが、上手に付き合っていく方法を考えましょう。
HSPの定義
HSPにはDOESと呼ばれる、アーロン博士が定めた4つの定義が当てはまる人を指します。
【DOES】
・Depth of processing(物事を深く考える)
・Overstimulation(過剰に刺激を受けやすい)
・Empathy and emotional responsiveness(全体的に感情の反応が強く、特に共感力が強い)
・Sensitivity to subtleties(些細な刺激をキャッチする)
これを見るだけでも「自分に当てはまる」と感じた人は多いのではないでしょうか。
HSPの例
HSPの人はどのように感じるのか、アーロン博士が患者に質問する具体的な例を見ていきましょう。
- まぶしい光や、強い臭い、肌触りの悪い布、近くを通るサイレンの音といったものに容易に圧倒されてしまう。
- 短時間に多くの出来事が起きると慌ててしまう。
- 日常の生活に疲れてくると引きこもってしまう。
- 安定した状況を最優先に生活している。
- 音や匂いがとても気になる。
- 自分の世界をもっている。
- 子供の頃から周囲の人達に内気な性格だと言われていた。
HSPとの付き合い方
HSPは治療したから治る病気のようなものではありません。
しかし、ほったらかしにしてしまうと自分は苦しめ続けてしまいます。
まずは自分が置かれている環境が、自分に適しているのか。
関わる必要のない人間と「せっかく誘ってくれたから」と気を使って相手をしていないか。
自分の人生を振り返って、自分は意識せずに無理をしてきていることに気づくかもしれません。
まずはHSPの事を理解し、環境を変えるなり、関わる人を限定するなり、自分を大切にすることを第一に行動しましょう。
自分の心と向き合おう
悩みはどこから来るのか、そもそも悩みとは何か。
答えは自分の心が決めているという事を理解しましょう。
例えば、今日は何かも順調で、自分の思い通りに1日が過ぎていきましたが、家に帰ると妻の機嫌が悪く、とばっちりのように怒られました。
次に、今日は何も上手くいかず、とんでもない1日で、家に帰ると妻にとばっちりで怒られます。
どっちのほうがあなたは悩むことになりますか❔
答えはほとんどの人が後者です。
もしもあなたの心が、嫌な気持ちで1日過ごしたらその後に起きることは全て嫌な事です。
なぜ嫌な気持ちになるのか。
それは「承認欲求」が満たされていないからです。
承認欲求とは
- 自分の存在を価値のあるものにしたい。
- 他人から否定されたくない。
- 他人から認められたい。
などがあげられます。
多くの人の悩みはこの「承認欲求」から来ているとされています。
この観点からすると、「あいつは、なんて仕事の出来なやつなんだ」という事を、言っていること自体が承認欲求を満たしたいことが分かります。
この承認欲求を放置しておくと、イライラしやすくなったりストレスがたまりやすくなっていきます。
そうならないために、私たちは常に自分の心の声に耳を傾け、自分が今どういった感情なのかを確かめておかなければいけません。
その方法として、よく挙げられるのは「マインドフルネス」です。
「マインドフルネス」の種類は多く、自分に合うものを探すべきですが、お勧めしたのは「もう一人の自分を育てる」ことです。
「もう一人の自分」を作る方法として、自分の感情を言葉で確認する方法があります。
まずは怒っている自分がいるとします。
その時に「もう一人の自分」の事を思い出すことは困難なので、怒りが収まってから、「さっきの自分はかなり怒っていたなー」と、まるで他人事だと思う所から始めます。
適当な名前を付けてあげるのも効果があるみたいですね。
これを繰り返すことで怒っている状況でも「もう一人の自分」が自然と出てくるようになります。
そのレベルまでいけば、あなたも自分をコントロールしている感覚を少し得ることが出来るはずです。
ぜひチャレンジしてみてください。
最近はマインドフルネスが流行りで、関連書籍が多く出版されています。
実際の効果には個人差がありますが、これだけの方が支持していることには効果が期待できます。
やり方に決まりはありません。
とりあえずリラックスして呼吸に集中することから始めて、今の自分と対話してください。
仕事以外の楽しみはあるのか
「仕事が趣味」なんて言う人もまれにいますが、ほとんどの人はやりたくない仕事をしています。
最近はSNSでその不安を煽り、金を稼ごうとする人間が目につきます。
人間の不安を煽ることはビジネススキルというよりは、詐欺のスキルだと個人的には思っています。
人としてみっともないのでやめてほしいものです。
少し話は逸れましたが仕事は仕事で楽しくなくても良いのです。
仕事の時間以外に仕事のこと(明日の仕事のことや、上司・先輩との人間関係など)を考えていないか。
大切な人との時間を取れているのか。
毎日を楽しめているか。
ちょっと悪い方向に向かってるかもと思ったら
少しでも自分が悪い方向に向かっていると感じたら早めに対処していきましょう。
実際にうつ病にかかる人は、限界までいろいろな事を心に溜め込んで発症するものです。
週に一度くらいは自分に対して問いかけてあげることが出来るといいですね。
もちろん今の段階で、すでに限界なんだという人はすぐに環境を変えることをお勧めします。
うつ病の患者は、この時代の変化とともに更に増加することが予想されています。
「人は心が原動力」なんて有名な言葉もあるくらいですから、自分の心くらいは自分で守ってあげましょう。人は、自分のことを大切にできるから人のことも大切にできると言います。
まとめ
お笑い芸人さんが言った一言で、有名な言葉に「自分の機嫌は自分でとる」と言われた方がいました。
これもひとつの心のエクササイズですね。
不機嫌そうな人とは一緒に居たくありません。
心地よい人生を歩むために、自分をコントロールできる人が増えれば、世の名が良い方向に進んでいくのではないでしょうか。